中小企業様の構築案件でファイルサーバとしてのNASの需要が多く、
(NASの中でもQNAP製と、Synology製をオススメしてきた結果)
結構な台数を導入してきたため、実際の導入例を交えてNASの利用方法を紹介していきます。
ご紹介していく機能は QNAP製、Synology製NASの標準機能として持っているものです。
第2回目の今回は「企業で使うファイルサーバ(NAS)に必要な機能」の一つ、データ保護について触れます。
共有フォルダのデータ保護
ファイルサーバのデータを消失すると、相当な時間とお金を無駄にします。
頑張っても2度と作れない(作りたくもない)ファイルが多く保存されていると思います。
対策として、” HDDの信頼性 “、” RAID構成 “、” 世代管理バックアップ ” を紹介していきます。
HDDの信頼性
ファイルサーバのデータ保管先はHDDです。
HDDの中では金属の円盤が高速回転しています。
駆動系のパーツは故障率が高いです。
残念なことに肝心なHDDが一番壊れ易いということです。
今では「NAS向けのHDD」というものが各社から販売されています。
耐久性(24時間365日電源入れたまま)、高負荷(複数ユーザの同時アクセス)に優れ、普通のHDDよりタフなHDDです。
NASを利用したファイルサーバには、こういったタフなHDDを利用します。
それでも壊れるときは壊れます。
RAID構成(RAID-1 or RAID-5)
通常、ファイルサーバ(NAS)にはHDDを2本以上搭載します。
これにより、HDD1本が故障してもデータの消失も、本体の停止も防ぐことができます。
その分、搭載したHDDの総容量分を目一杯使うことができません。
共有フォルダの容量を犠牲にして、HDD故障に保険をかけるイメージです。
世代管理バックアップ
タフなHDDにした! RAID構成にした!
“今現在“のデータについては対策してきました。
しかし、HDDが複数本故障してデータを全て失った。
誤ってファイルを上書きしてしまった。
間違って誰かが削除していて、気づいた時にはファイルがなかった。
このような場合にはデータは復元することができません。
別のNASや、外付けHDDなどの外部の記憶媒体へデータを退避させます。
今は数世代(数日分)のバックアップを保持するのが主流です。
例えばファイルサーバ(NAS)が完全に故障時は、全データを直近のバックアップから復旧させる。
ピンポイントで欲しいファイルを7日前の状態に戻すこともできます。
以上、データ保護偏でした。