2016年12月2日、QTS4.3のベータ版がリリースされました。
新機能の詳細やカタログなどはこちらから確認することができます。
https://www.qnap.com/qts/4.3/ja-jp/
早速バージョンアップしてみたので何が変わったのかレビューしてみたいと思います。
■今回の環境
本体 TS-469 Pro
アップデート方法
まずQTS4.3は現在ベータ版であるため、
更新するためにはベータプログラムに参加する必要があります。
[コントロールパネル] – [ファームウェア更新]を開き、
[QTSベータプログラムに参加し、ベータアップデート通知を受取ります。]
にチェックを付けます。
この状態で、上にある[更新の確認]ボタンをクリックすることで、
ベータバージョンにアップグレードすることができます。
画面の変化
ログイン画面
4.3は黒を基調としたスタイリッシュなデザインになっています。
ver4.2
ver4.3
ホーム画面
ホーム画面も同じくスタイリッシュな印象です。
ver4.2
ver4.3
コントロールパネル画面
4.3では上に本体情報が表示されるようになりました。
ver4.2
ver4.3
4.3ではペイン方式では無くなったのかと思いましたが、
適当なアイコンをクリックすると従来のようなペイン方式の画面に切り替わりました。
リソースモニタ
QTS4.2まではリソースモニタはシステムステータスの一部でしたが、
4.3ではリソースモニタが独立したアプリケーションとなっています。
概要画面ではCPU使用率、メモリ使用率、ネットワーク使用率、プロセスを
まとめて確認することができます。
左のタブからそれぞれの項目をクリックすることで詳しい情報を見ることができます。
Qfiling
QTS4.3ではQfilingという自動ファイリングアプリケーションを使うことができます。
各フォルダに散らばった画像、動画、ドキュメントなどのファイルを
指定した条件にしたがって自動的に分類してくれる機能です。
App Centerを開き、左ペインのベータラボから「Qfiling」をインストールします。
このとき使用前提条件の「Qsirch Add-on」も自動的にインストールされます。
早速使用してみようと思ったのですが、ここでエラーが発生しました。
どうやらQsirchとQfilingを利用するにはメモリが2GB以上必要なようです。
というわけでメモリを2GBに増設してみました。
詳しくは別の記事に書いています。
→QNAP TS-469 Proのメモリを増設してみた
今度は無事起動しました。
右上の「Qfilingタスクの作成」をクリックしてタスクを新規作成します。
タスク名と分類元のフォルダ、分類先のフォルダを指定します。
次にファイリングするファイル、条件を指定します。
ファイリング条件はひとつのタスクで複数設定することができます。
ファイリングは1回のみ行うのかスケジュールで行うのか選択できます。
その他のオプションを選択します。必要な項目にチェックを付けます。
注記:元のファイルを削除することを選択した場合、タスクが完了した後、ホームページで「回復」をクリックして、変更を取り消すことができます。これを行うと、すべてのファイルが元のフォルダに移動し、新しいフォルダが削除されます。
サマリーが表示されるので、確認後「適用」ボタンをクリックします。
が、なぜかここで「タスクを追加できませんでした」のエラーメッセージが
表示されて先に進めませんでした。
QfilingとQsirchなどの再インストールなど試してみましたが改善されませんでした。
公式サイトには、
システム要件:Qsirchを使用するには、Qfilingをインストールする必要があります。最低2GBのRAMとQTS 4.3.0 (またはそれ以降) を搭載するx86ベースのNASをサポートします。
と書いてあるので要件は満たしているはずですが…
もっと新しいモデルじゃないと駄目なんですかね。
その他追加機能
今回は時間の都合で検証できませんでしたが、他にもいろいろな機能が追加されています。
知的なQtier™ 2.0:QNAP のQtier 技術により QNAP NAS の自動階層化が強化され、SSD、SAS ドライブ、NL-SAS / SATA ドライブにまたがったストレージ効率性を継続的に最適化するのに役立ちます。また、Qtier 2.0 は NAS の使用状況から学ぶことでシステム性能や使用率がピークになる時間帯を分析し、自動階層化に最良の時間や最適な転送速度を判断します。
ネットワーク&仮想スイッチでネットワークのアクセス性を最大化: NAS と仮想マシンが同じ LAN ポートを共有していることとは別に、ネットワーク&仮想スイッチの大幅な機能強化の一つには、仮想マシンとコンテナー間のデータ転送への対応があります。T2Eコンバーター(Thunderbolt™とイーサネットのネットワーク間を接続)や、QNAP Thunderbolt NAS を通して Thunderbolt デバイスがすべての物理アダプターに接続できるようになる Thunderbolt 仮想スイッチ NAT サービスなどの機能も追加されています。
SMB を通した Time Machine バックアップ:QTS 4.3 は、幅広いバックアップシナリオ用の SMB ネットワークファイル共有プロトコルにおいて、最新のmacOS Sierra とのシームレスな機能に対応しています。
File Station でリモート接続を追加: QNAP NAS とパブリッククラウドサービスの間で直接的にファイルを閲覧したり、転送したりできるようになりました。また、FTP、CIFS/SMB を利用し、リモート NAS からローカル NAS に共有フォルダーをマウントできます。Google Drive™、Dropbox®、Microsoft® OneDrive®、Box®、Yandex® Disk、Amazon® Drive に加えて、QTS 4.3 では Microsoft® OneDrive® for Business and HiDrive® へのサポートも追加されています。
洗練されたマルチメディア体験: マルチメディアに焦点を当てたアプリすべてに改良されたユーザーインターフェースがあるのに加えて、Photo StationがexFATをサポートするようになり、右クリックコピーの無効化が可能になりました。Music Stationには新たにスポットライトモードが追加され、スマートなプレイリストをサポートします。 Video Station ではシーンにタグを付けたり、オーディオトラックの切り替え、TMDbなどのオンラインデータベースからの補充データのダウンロードができるようになりました。QTS 4.3 では多様性を持つアプリのために、マルチゾーンマルチメディアコントロールも提供されています。Download Stationには統合 BT 検索エンジンが搭載され、サードパーティのプラグインをサポートすることで、Download Station の機能などを拡張します。
生産性を上げるアプリとユーティリティの追加:QmailAgentは、複数の電子メールアカウントを1つのインターフェースから一元管理したり、電子メールを QNAP NAS にバックアップしたりするのに役立ち、ファイルのサイズを気にすることなく添付ファイルを送信できる「SmartShare」リンク機能もあります。Qcontactzは、複数のデバイスやプラットフォームで増え続ける連絡先を一元管理するのに役立ち、Google® アカウントや CSV または vCard 3.0 ファイルからの連絡先のインポートをサポートし、QmailAgent と統合されています。 QButtonでは、QNAP NAS リモコンのボタンアクションをカスタマイズできます。Qsync は新しいチームフォルダー構造と自動復旧機能で強化されており、安定性と同期化にかかる速度が大幅に改善されています。さらに便利なアプリやユーティリティをQTS App Centerからダウンロードできます。
引用:QNAP
まだベータ版ということもあり、本番環境で使うのはおすすめできませんが、
安定版が出る前に一足先に体験しておくのもいいかもしれません。
技術部 技術1課